最も一般的に使われている、紙束を挟むために使われる細長い円形のクリップは、誰が発明したのか、はっきりとはわかっていませんが、1890年頃にイギリスでゼム・マニュファクチュアリング・カンパニーが発明したと思われています。そのため、現在でもゼムクリップという名前で呼ばれています。
1899年にはコネチカット州ウォーターバリー出身のウィリアム・ミドルブルックが、この形のクリップを作る機会を開発し特許を取得しました。
クリップはその後も様々な改良が加えられ、多くの種類のものが生み出されました。ノルウェー人のヨハン・バーらーが1899年と1901年に若干構造を変えたクリップを開発し、特許を取得したのですが、ゼムクリップのほうが機能性に優れていたため、普及しませんでした。
ゼムクリップはヨハン・バーラーが発明者でもなければ、ノルウェー人が発明したわけでもありません。しかし、バーラーが特許を取得するなど、ノルウェー人が関わっていたため、第二次世界大戦中ドイツ軍に占領された際、ノルウェーの抵抗運動のシンボルとして使われました。当時の抵抗運動に加わったノルウェー人は、イギリスに亡命したホーコン7世に対す忠誠と団結を示すため、服にゼムクリップをつけたといわれています。
戦後、オスロの公害にバーラーの名誉をたたえて巨大なゼムクリップの彫刻が建立されました。
